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ある午後の沈黙 ニュース記事に関連したブログ

2012/02/15 00:08

 

「近頃の若者は・・・」

そんな大人の嘆きが聞かれる社会こそ、

正常な、発展中の社会である。

 

最近久しぶりに会った友人が、

そう話していた。

 

なるほど、と思った。

 

おそらくは多分、

そのとおりであるにちがいない。

 

その上で、

話がついつい、若者論になった。

 

たとえばシェアハウスに暮らす若者。

 

筆者どものような、

いわゆるバブルの時代に青春期を過ごしたような世代から見ると、

嫌々仕方なく暮らしているとしか思えない。

 

しかし、

「一律にそうではなかろう」

 

と、この日は意見が落ち着いた。

 

シェアハウスのような密接な共同生活の場で、

仲間たちとのふれあいの中、

楽しく暮らしている若者の目から見れば、

 

アパートのワンルームに隔離され、

隣人の素性も知らず、

 

コミュニティとの接触をかたく拒絶していたかつての多くのわれわれこそ、

 

ある意味での

社会におけるひきこもりであったかもしれない。

 

そら恐ろしい「観測」も飛び出た。

 

若者の中から、

もしもこんな声が聞こえてきてしまったら、

どうしよう――と、

いうものである。

 

その声とは、

 

「年金、要りません」

というものである。

 

セリフには続きがある。

 

「でも掛け金はもちろん払いますよ。先輩達、それで楽しい老後を送ってください」

 

おそるべき提案である。

 

「では君たちの将来はどうするんだ?」

 

慌ててわれわれがそう訊くと、

この「仮定の若者」は笑顔で、

 

「ご心配は無用です。私達は昭和16年に生きているつもりでいますから」

 

なんと、

公とのかかわりにおいて、

 

個人の損得――を

彼は係数として用いないと言うのである。

 

さらに掘り下げれば、

損得ではなく、美醜で生き方というものを考える――とも。

 

見ると若者の顔は晴れやかだが、

言われたわれわれにとっては、何ともどすが利いている。

 

利きすぎている。

 

さて、

こんな若者が仮に世の中に大勢現われでもしたら、

われわれはどうしたらいい?

 

友人とふたり、う~んと考え込んだまま、

意見も見解も出せず、

その場はそのままお開きとなった。

 

ある穏やかな午後のこと。

 

 

 

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 社会や国、公のこと

コメント(3)

 
 
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2012/02/24 01:18

Commented by Schneewittchen さん

こんばんは。
先日は、なんだかヘンなコメントさしあげてしまったかなあと思っていて、このエントリーが目に留まりました。
他のエントリーにも、興味深く感じるものが多いのですが、前回、お話しさせていただいたときの話題に関連するところもあり、こちらに飛び込みました。

>公とのかかわりにおいて、
>個人の損得――を
>彼は係数として用いないと言うのである。

でも、これは、中高年世代の私なんかでもそうですよ。
私の場合は、とうてい、生き方の美醜なんて高尚なレべルではないですけれど(笑)

自分自身が受け取れない可能性が高かろうとも、払うべきという公のルールになっているんだから、そこの一員であり、あり続けるからには、その社会が存続していくことに益する一端となるだけでいいという、しごく単純な気持ちでしかないのですけど。

どんな分野にも見受けられそうですが、
これは今までにない全く新しいことだ!と思っても、その萌芽や先駆けとなるものは、すでに、前世代までの水面下に潜在していて、それが、あらわになっただけのことかとも感じます。
たとえば、フリーター的生き方なんかでもそうじゃないかと。

それにしても、濃い会話をできる御友人をお持ちですね。
さすが、宮さん、と思いました。
 

 
 

2012/02/25 20:46

Commented by 宮 栄多郎 さん

Schneewittchenさん、コメントありがとうございます。

ところで今回は「友人」にご注目いただき、うれしいかぎりです。

この人、以前、小生のつとめていた職場の先輩で、5年くらいの年上なのですが、かなりの奇人で、たとえば風呂には滅多に入りません。歯磨きや着替えもあまりしません。

ですので、呼び出す際は、いちいち注意をしなければ、「路上の人」と見まごうような姿で、都心のホテルのラウンジなどにも遠慮なく現われてしまいますので、こちらはまったく気を抜くことができません。

路傍の草花や虫を友とし、鳥の声を聞けば必ずその名を諳んじ、家は大量の蔵書とレコードで進退不自由なほどに埋まっています。(埋まっているのだそうです。僕は恐ろしくて訪問はしていないので)

とにかく博覧強記の人で、膨大な知識の一部を企業に提供するかたちで、今は組織にも属さず生活していますが、彼を知る多くのビジネス社会の人びとからは、落伍者のレッテルを貼られてしまってもいます。

しかし小生にかぎっては、この人、東京に出てきてから得た、最も魅力的で親しい、尊敬する友人です。


 
 

2012/02/26 11:01

Commented by Schneewittchen さん

お返事、ありがとうございました。
まぁ、宮さん、その御友人、お話を聞いたかぎりでは、私にとっても、まったくの好みのタイプですわ(笑)紹介していただきたいくらい。
やはり、好みの文を書かれるかたとは、人の好みにも共通点があるのでしょうか。
私は、凝り性でありながら、どこか飄々とした感じの男性が大好きなんです。恩師には、そんな感じの人が何人かいました。可愛がっていただきました。

もしも、家族とかだったら、一緒に暮らすうえでは、何かと文句を言いたくなりそうなかたのようですけど(笑)でも、話していて、全然、飽きない お人じゃないですか?
でも、地震の用心は言ってあげてくださいね(笑)

私の周辺は、私自身が一番、ヘンな落ちこぼれか、と思えるほど、良くも悪くも、現世的堅実さの旺盛な人が多いのです。
あまり「濃い」話とかは、かえって軽蔑されかねないような人が多いです。

うらやましいです、宮さん。